人生たらたら

書きたいことを書くだけのブログ

気休めはよしてほしいそうです

<<ネタバレ注意>>

 

 

 

前回、エッジは無鉄砲正義感をいかんなく発揮し、その結果一惑星を消滅させてしまった。その惑星が本当に”過去の地球”であればエッジとレイミの存在も消滅してしまう筈だが、特に問題は無いようなのでこの消滅してしまった惑星は”別次元の地球”なのか”地球に似て非なる惑星”だったのか”エッジ達はムーアという種の末裔?で地球人ではないから”という暗示なのか、なんかあっさりとその辺りの話は終わった。

 

そしてエッジは自らの軽はずみな行動で一惑星を消滅させてしまった後悔から、どんよりモードに突入したのだが…自分は創作物に対して広い見解はもっていないし、教養も無い、その上での浅い考えを述べさせていただく。

 

 

”キャラクターの成長を描く作品”というのはこの世に多数にある。そこでよくある手法として、”キャラクターに挫折や失敗を味わわせる展開を挟む”というもの。大体は物語の中盤~終盤辺りによくあるのではないだろうか、まず序盤は着実にキャラをステップアップさせていき、ユーザー側にも順風満帆な成長を体感させ、そして挫折シーンで一気に落とす。その格差を付けることで感情移入していればしているほど感情が揺さぶられ、成功体験だけでは身に付けれられない、挫折や失敗を味わったからこその一皮剥けた成長というものをキャラクターと共に体感し、順調だった時期と落ちてしまった時期、それらの高低差が激しいほど、這い上がったときのカタルシスが大きく生まれ、キャラクターの成長や深み、それに繋がる物語の魅力が一段と増す。

 

王道な手法であるとは思うが、ここで重要なのがその”挫折や失敗の動機付け”である。ここがしっかりしていないと、キャラクターの成長物語の筈なのに底辺から這い上がる描写も弱くなる、いきなり展開で突拍子も無しに失敗しました→頑張りました→成長しました→ではなんの感慨も無い、ユーザー側は置いてけぼりにされ白けてしまう。勿論それを見通しての物語の組み立てがしっかり書き上げられているのならばいいが、簡単にフォローが出来ない分難しい、下手なフォローでは逆効果に成り得る。

 

 

スタ4に戻って。

 

エッジは”自分の身勝手な行動で取り返しの付かないことをしてしまい落胆する”ということとなるが、この展開に全く感情移入できないのだ。何故そう思うかというと、同情の余地すらないから。今作の物語の全体的な描写不足が目立ってしまった形となっている。

 

このような”キャラが取り返しの付かない事件を起こしてしまった”物語展開においては、よほどの事情が無いかぎり”外的要因”が用意される。無論、キャラが起こしてしまったこと自体は簡単に許されるものではないが、例えば”キャラが自覚していない未知の力が暴走する”、”悪役のキャラに間接的に操られていた”など、つまりユーザー側にとって同情できる余地のある裏付けが用意されているかどうかということ。俺は悪くねぇっ!ミスリードを誘うような筋書きがあるならばそれらの有無は関係ない。

 

エッジは前に聞かされた”ムーア”とかいうものの力が暴走したわけでもなく、身勝手な行動で惑星の消滅を引き起こし、一人で勝手にやさぐれ、船長としてクルー全員の命を預かっている立場であるのに指示は出さない、指示を仰がれても相槌すら打たず無視、職務放棄をしパーティ感の空気をふんだんに悪化させ、隙あらば自責構ってちゃん発言→他キャラが慰める→気休めはよしてくれっ!!!の黄金コンボ、勿論過ぎてしまったことは取り戻せないし、簡単に立ち直られても困るのだが、いかんせんこの惑星の事件までの動機付けが拙すぎて、キャラの一連の感情に対してフォローができない。

 

圧倒的描写不足や唐突感はもう今作のデフォなのでいいとして、そもそもこの過去地球(仮)のパート、全体的に違和感があったのだ。何故だろう?と頭を巡らせ、自分はこの仮説を立てた。

 

 

”レイミスパイ説”。

 

 

今惑星に着いてからは、エッジが何故か女性陣を宇宙船に待機させる→瞬時に軍隊に捕らえられる、というギャグ漫画みたいな導入から始まったが、”リムルを庇いレイミは捕まった”というのは会話の中での一言にしかなく、本当に言葉通りの意味で捕らえられたのかは定かではない。リムル視点での当時の回想シーン等が挟まれていたらまた見方が違ったかもしれないが、あっさりしすぎて何か怪しい。ということで、レイミはとある目的の為にわざと軍に捕らえられ、軍施設に潜り込んだ、という説を立てる。身内にはそれがバレないように、リムルを庇い外に逃がして自分一人だけで捕まった。

 

次に、軍内部でエッジが渡したエネルギー源をミラが暴走させてしまい対消滅が引き起こされたということだが、時代の違う文明の科学力を本職とはいえこう簡単に組み込める筈はない、それら概要を吐いたのは捕らえられていたレイミである(イベントムービーでミラがそのような旨を発言していた)。

 

ここで更に違和感が増した。まず、未来の異邦人として捕らえた時点で、軍の目的はある程度予測できる。それは未知の強大な科学力を活用する為の情報を聞き出す、ということ。しかし、宇宙上の各惑星を飛び回っている立場なら文明間での干渉はしてはならない、特に違う時代の文明の軍事機密の情報漏洩は絶対にしてはならないということは当然分かっていることだろう。軍施設内に捕らえられた時点で、どれだけ尋問を受けようが拷問を受けようが、口を割らずに覚悟を決めるべきだろう。

 

これが例えば捕らえられてから長期間経っている、とかであれば情報を吐いてしまったことにかろうじて理解はできる。しかし、レイミが軍に捕らえられたことを知った→クラウスさんが軍施設の侵入作戦を立てる→侵入成功、それだけの展開である。後日警備が手薄になるから、とか数日準備が必要だから待っていてくれ、とかそういったものは全くない。ゲーム内で長く見積もって数時間ほど?の展開の速さである。

 

 

しかし実際問題、その短い時間の間にレイミがタブーである情報をあっさりと漏洩させてしまった…のかは定かではない。ミラはレイミからお話を聞かせていただいたと言ったが、当の本人は部屋のベッドで寝ていて目が覚めたころにはおぼろげ、その後レイミの悪びれる様子も無いので、情報を漏らしたことを気に留めていないとんでもない奴なのか、無意識の内に脳波かなんかで情報を抜かれてしまったのか…前者ならエッジのように自分の行動に対しての自責の念に駆られるだろうし、普通に考えると真相は後者なのだろうか?

 

捕らえられていたキャラに再会した際に、何をされたとかとか聞かれたとか何を喋ってしまったとか、その辺りの帳尻合わせが全くないのはどうなのか。一言二言何か無いのか。裸タオルで部屋にいたのも”あの茶番シーンの為だけ”だったのか、何も分からない。全てにおいて不自然なのだ。なんというか、本当に分からないのだ。やはり自分の読解力では手を出してはいけない作品だったのか。

 

 

そこでもう一つ仮説を立てる。

 

”ムーア”という種は破壊衝動が遺伝子に刻まれている存在で、エッジ、クロウ、レイミの三人はそのムーアの末裔、エッジのその眠っている力は他の種の真髄を許さないほどの特別で強大なもので、目付け役として幼い頃から共に行動していた。クロウは先に宇宙に飛んだためレイミがエッジの傍に付く。そして今惑星でレイミはわざと軍に捕まり、人質という立場でエッジならこういう行動をするだろうと予測し前もって情報漏洩を行い、筋書き通りに惑星が消滅、エッジはすっかり自暴自棄となり、その身体の奥底に眠る破壊の衝動を開花させよう、という目的があったのだ。ベッドで寝ていたのもカモフラージュの為。

 

え?破壊の力を開花させる目的は何なんだよって?そりゃあれだよ、遺伝子の本能というものがそうさせるんだよ、うん。はぁ~こりゃセルフネタバレになってしまったかもしれませんなぁワッハッハッハ。

 

 

 

 

 

 

ただの妄想である。

 

今作のストーリー、そうでもしないと頭が沸騰しちまうよ。

 

 

 

 

ここまでだらだらと書いてきましたが、正直に一言。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今すっっっごい楽しい。

 

 

ここまでの4のストーリーが好きな人には申し訳ありませんが、自論としてここまで特別面白くもない特別面白くないわけでもない、寸劇は大体スベってる、そのくせ描写&行間不足満載でツッコミ所だけは多い、凡、という印象だったんです。ですが、今回のイベントにてエッジ・ヒスーテリックと化してから一気に”尖った”。良くも悪くも人の心を動かすのは尖った個性といったところでしょうか。

 

宇宙船に待機させたことから始まり、大体が自分の撒いた種、落胆はいくらでもしてくれていいが、自分の行動を悔いているのならばせめて周りに当たるのはやめてくれ。”そりゃこんな立ち振る舞いになってもしょうがないよな…”とプレイヤー側に思わせるような事情も無いのに癇癪はご丁寧に起こす、その感情描写に全く付いていけなくて、イベントシーンで気休めくんがヒスる度に腹筋が痛くなっています。一人用ゲームでここまで笑いが誘われる作品はそうそうありません、これは凄い。天才。

 

まあ一応キャラの挫折シーンなので、今後どのような段取りでこのキャラを成長させるのか昇華させるのか、どのように巻き返すのか、ここまでの違和感は全て伏線として張り巡らされているのか、すみません!自分の浅い考えでした!頭が上がりません!と思わせるようなどんでん返しがあるのか、今後に期待です。