第一試合目は東日本新人王1回戦スーパーフライ級4回戦、布袋聖侑選手対根本洸太選手。布袋選手は1戦1分けの2戦目、根本選手はプロデビュー戦。布袋選手は前に出て根本選手は距離を取る、互いに左を出しながら、カウンターも含め時折力の入ったパンチがヒット。そして第2ラウンド根本選手を攻め怯んだところへ猛攻、最後はボディでKO勝利となりました。布袋選手の飛び込みながらのワンツー、そして上下のコンビネーションがとてもよかったと思いました。根本選手も良い軌道の攻めもありましたが、布袋選手の得意な距離から抜け出せずにそのまま打ち込まれてしまった印象でした。
第二試合はスーパーバンタム級4回戦、為我井廉選手対清水トーイ選手。互いに開幕からゼロ距離でのバチバチの打ち合い。開幕の左ショート、距離が離れた後の攻防に関しても為我井選手の左がことごとく命中、第一ラウンドから3度のダウン奪取によって為我井選手のTKO勝利となりました。サウスポーの軌道の強みを生かした試合だったと思います。
第三試合はミニマム級6回戦、北野武郎選手対アディテープ・ムアンチャルン選手。互いにサウスポー、タイのムアンチャン選手はそこからスイッチ多用のスタイル。リーチの長さを生かしたムアンチャン選手に対して、様々なフェイントを織り交ぜながら攻め込む北野選手。ディフェンシブに戦う相手に対して左の有効打、北野選手の4RTKO勝利となりました。ムアンチャン選手も華麗なスウェーバック等の技術もありましたが、北野選手の手数だけではない、身体の動きの緩急もよかったと思います。
第四試合はアジア最強トーナメント1回戦ライト級8回戦、齊藤暘二選手対齋藤眞之助選手。身長差12㎝、戦績だけで見てみると、陽二選手は6の勝ちはすべてKO、かわって眞之助選手はKO率は抜けてはいないものの技術力に長けている選手。そのまま眞之助選手が距離を取りながらリングを回り、陽二選手が前に出続ける展開。第一ラウンドは陽二選手のオーバーハンドの右でダウン奪取、そのままパワーで押し切るかと思いきや第ニラウンドは打ち合いの中で逆に眞之助選手がダウン奪取。試合展開がもつれそうになった展開を持ち直したのはやはりパワー、ロープ際でのボディ中心の怒涛の攻めにて陽二選手の見事なKO勝利となりました。身長差のある組み合わせでしたが、一度目のダウンのオーバーハンドは身長差があったからこその見えない軌道だったでしょうし、逆に眞之助選手からすれば右アッパーが効果的なように思えました。互いの持ち味が活かされた試合だった印象です。
第五試合は続いてアジア最強トーナメント1回戦ライト級8回戦、今永虎雅選手マ・シャン選手。今永選手はアマ10冠の期待のホープ。長い距離からの左で距離感を掴み、そこからはもう圧倒の一言。シャン選手もそのどっしりとした体格からの圧もありましたが、相手に触らせず何もさせず一ラウンドTKO勝利となりました。先程の試合と同トーナメントの試合ということで。規模や各々の都合もあって、それこそランクが上がれば上がるほどトーナメント形式というのはあまり見られないですが、やはり見ていて一番分かりやすいというか。勝者がそのまま勝者と戦えるという一種の安心感があるといいますか、トーナメントゆえの(試合成立さえすれば)保証もあって、そういった意味でも今後が楽しみです。
第六試合目は日本ユースミニマム級王座決定戦8回戦、佐伯侑馬選手対宮澤蓮斗選手。佐伯選手は3戦3KO、宮澤選手は同級新人王。開幕からのボディジャブやカウンタータイミングの探り合いなどなど高度な技術戦。宮澤選手の徹底したカウンター狙い、ボディワークでのディフェンス、隙あらば前に飛び込んでの打撃、と佐伯選手を翻弄、しかし互いに主導権を取れるまでにはいかず。中盤佐伯選手の対応力にて徐々に優勢、からの6R終了間際宮澤選手の右でダウン奪取。最終ラウンドは気力の闘い、結果は宮澤選手の判定勝利となりました。佐伯選手も相手のダッキングに合わせてのアッパーで迎撃したり、ワンツー狙いのカウンターを考慮しての直左ストレートを放ったりのプロ4戦目とは思えない素晴らしい対応力を見せましたが、宮澤選手の速さと旨さが上回った試合だったと思います。互いの高度な技術力は前提として、パワーの佐伯選手とスピードの宮澤選手といったような図式で、とても見ごたえのある素晴らしい試合でした。
メインは日本スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦、王者高山涼深選手対挑戦者古谷昭男選手。オーナー!?前のKO試合も見させてもらいましたぜオーナー!高山選手は7戦全勝6KO、古谷選手は三度目のタイトル挑戦という組み合わせ。開幕から古谷選手の追い込み、距離もよく身体の動きも仕上がっているようなキレ。的確にパンチを当て空振らせ、対する高山選手は慌てず自分のスタイルで攻め続ける展開。古谷選手の出入りも含め良い動きだったものの、やはりそこは高山選手のプレッシャー。ぐらつかせる有効打から怒涛の攻めによって高山選手の3RTKO勝利。最後の密着状態での攻めも見事でした。
中継放送ありがとうございました。