ということで、”スターオーシャン5”本編クリアしました!
クリアタイムは最後のセーブデータ時点で丁度15時間、そこからラスボス戦で20分~30分ほどでしょうか。クリア後セーブがないのは逆に珍しかったですね。それと、スタッフロール開始時に”録画禁止区間です”みたいな通知が突然届いて、”そもそも録画機能なんてあったんだ”という驚き。突然流れてきたボーカル入り楽曲が権利的に駄目だったのかな?
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まず物語面について。今作の物語は”不思議な能力を持つリリアの謎とは?”といったところでしょうか。これといった矛盾もなく手堅く物語は進行され真相が判明しすんなり物語は終了を迎えました。王道で無難というつくりは良かったと思います。ですが、これといった山場も無かったような気がしました。王道としては物足りない、だからといって尖っていたわけでもない、そのような印象。これは個人の受け取り方にもよると思います。
小さくまとまっている、という印象を受けた要因として”過去作に比べ物語のスケールが小さすぎる”というのがありました。実際にプレイヤーが操作できる行動範囲は別として、過去作では宇宙を越え複数の惑星を股に掛ける物語でした。当然、惑星間の移動についてもSF技術による描写があってこそ、スケールの大きい展開となっていて、今シリーズ作品の世界観として彩られていました。ですが5は主にフィデル達の住む惑星一つだけで物語は進み、惑星間移動はエマーソン艦隊内と敵軍の基地内くらい。
もう一つ、”とにかく何でも口頭で済ませるイベント群”。一つ例を挙げると、作中宇宙上でのエマーソン艦隊と敵艦隊との戦闘イベントシーン。敵船艦○○隻!距離○○!魚雷○○発発射!シールド展開!着弾!被害○○%!全速前進DA!などといった緊迫したシーンの”実際の画面描写が一切無い”。見せ場の筈なのに宇宙空間での戦闘シーンが無く、全てエマーソン艦内からの船員の口だけで展開を描写するという、とんでもない手抜きシーン。魚雷発射!→口頭のみ、着弾!→口頭のみ、シールド展開!→口頭のみ、被弾!→あっ画面揺らしますね、本当にそんな感じで全く心が揺さぶられない燃えない。一応艦内のモニターでアイコンとして映し出されているが、だからなんやねん。
SFモノって、現実世界ではまだ到底及ばない技術力とか、次元ワープとかブラックホールとか宇宙の壮大さとか、純粋にワクワクする魅力があるじゃないですか。4は宇宙船による惑星間移動、突如発生したワープホール、惑星爆発、終盤の集団ファントム艦隊とのせめぎ合い等々、見ていて面白いものがありました。5はそれらの魅力をほとんどオミットしてしまった作品…というのは言い過ぎでしょうか、魅力が感じられにくい作品だと思いました。元来そこに力を入れるべきでは?
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”本編クリア後の”自分なりの総括ということで、過去の発言とは180度変わっている傾向もあるかもしれません。プレイ中とプレイ後で印象が変わることに関しては許してヒヤシンス。
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戦闘面について。えー…特にそんなに語ることは無いですかね。リアルタイムシームレスで7人戦闘を実装した技術力の凄さは感じられましたが、戦闘の仕様含め最後の最後まで”7人戦闘ならではの楽しさ”というのはあまり感じられませんでした。結局スパアマ高速発生高範囲大攻撃してくる敵がどうしようもなかったので。ガード?なんだそれは。
ですが”ロール”という要素は調理次第で化けるシステムかもしれない、とも感じました。自分の習得した限りでも細やかで特徴的なものもあったので、それこそキャラ一人一人のロールセット最大数を増やし細分化、ロールの性能もマニア方向に舵を切り敵と用途に合わせてカスタマイズ(+マイセット)、詰めれば最終的にAIだけでクリアできるみたいな。こういうのって細かくてマニアックなほど面白いんよ。それが今作の戦闘仕様で面白くなるかは知らん。
もう一つ思ったのが、”ロール習得派生スキルツリー風一覧”があればよかったのではないか、ということです。情報ゼロでプレイしているとどれをどのくらいレベルを上げればどのロールが習得できるか分からず、AIの作戦含め個性付けの独自システムの筈なのに、プレイしていてもどかしい方の手探り感が拭えませんでした。スキルポイントでレベルアップしようにも必要量が多いのですぐ底を突いてしまうし、自分は結局最後まで序盤で習得できるロールがほとんど。例えば、元派生から~3くらいの派生先情報を載せるとか、そういうのがあればスキルポイントからの計画も立てやすいし、モチベにも繋がるし、上位の強力なロールとかなら???で一部分隠せばいいし、個人的にはそういう機能があってもよかったのかなと思いました。
これは自分のプレイ記となりますが、ラストダンジョン前でたまたま”バーサーカー”と”テラーナイト”というロールを習得しまして。前者は攻撃力倍&防御力0、後者は敵の行動間隔を増やす、といったもので、終盤の敵がとにかく火力が高くて固かったので正直無ければ心が折れていました(道中ガンガン全滅してた)。自分がクリアできたのはこれらのロールのおかげです。まあそう考えるとロール間の格差は結構大きそうですね。
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それ以外のシステム面について。ここに関してはあまり擁護はできない感じですね…フォントorウィンドウ含め全体的に安っぽくなり、ショップアイテム購入周りの劣化、確認ポップアップが過多、メニュー画面の使いにくさ、一部分だけカーソル記憶現象、クエスト画面関連、足遅い、NPCよろけ(後述)、というかシームレス会話パートそのもの、一つ着目すれば問題点が続々と見つかってしまう、あまりにもお粗末なUI。システム面に関してはすみません、本当にひどいです。
自分がまず最初に???と思ったのが”NPCよろけ”。どういうことか説明すると、今作はNPCの当たり判定はなく重なるとキャラはそのまま貫通する仕様となっているのだが、少しでも重なるとNPCは接触メッセージと共によろけモーションをとる(プレイヤーキャラ側は無反応)。そして数秒のよろけモーションの間は話しかけられない。
自分はドラクエとかも好きで、新たな町に着くたびに町人全員に話しかけに行きますし、住居不法侵入→窃盗も隅々まで行います。だらだらゲーム内の町で人に話しかけながら散策するという行為は好きで、個人的にDQ7なども苦ではありませんでした。
ですが5の場合、町人発見→話しかけに行こう→ダッシュで近付く→触れてしまう→よろける→3、4秒待たされる→話しかけよう→NPCも動くのでそのまま会話可能範囲から出てしまう→最大限の注意を払い左スティックを微調整しつつ会話可能範囲に入ろうとする→触れてしまう→よろける→3、4秒待たされる→今度こそ動くNPCに触れないように一歩の距離を調節しもういいや。
結果NPCに話しかけるという行為はほぼゼロのまま終わった。困ったのが、カウンターを介さないアイテムショップの際にも容赦なくよろけ、よろけている間は勿論ショップを開くことはできない。正直イラついた。何故このような機能を実装した?”ラジアータストーリーズ”のキックみたいに、NPCキャラ一人一人にリアクションやイベントがあり一つの大事な要素として作り込まれているとかならいいですけど。
シームレス会話もこれといって必要は感じられない。従来のイベントムービーシーンがほとんど無くなったぶん、物語への没入感や臨場感、キャラへの感情移入が削がれてしまったような気がする。今作は例えるならば”定点カメラマン観察冒険記~中央にフィグルを添えて~”といったところだろうか。そりゃあ時間とコマ割を考えてカットシーンを紡ぎ製作したイベントムービーシーンと、定点カメラ傍観者シーンでは雲泥の差があるよ。
基本キャラ達は棒立ちだが、それぞれ会話中のキャラの方を向いたり会話内容で身構えるなどのリアクションをしたり、実はちょいちょい動いている。なので自分はシームレス会話シーンに突入する際(といっても劇中ほとんどコレだが)、所要キャラ全員分を画面内に収め、かつキャラ同士が重ならない”ベスト定点カメラポジション”を探す、ということをひたすら繰り返していた。何をしているんだ俺は。
まあ他にやることないし…先述の通り”うおおおお!”といったシーンとかもないし…これらも全てメッセージ送りやイベントスキップ機能がきちんと実装されていたらここまでの感想にならなかったと思います。一周目はともかく二周目以降はスキップ解禁されるとか…あるはずないか。
あ、旅先でのPAが復活したのは良い点。その時点での発生可能数&発生場所もマップに表示されここはとても良い仕様だと思います。ですがそれも、もはや呪いと化したシームレス会話、フルボイス化による弊害なのか一言二言で終わるのも多々、土地それぞれのデフォ会話は消え去った。総合して微妙な出来。それならば選択肢PAをもっと増やしてくれたらよかった。
う、そういえば今作の初回キャラエンディングは”ミキエンディング”でした。まあヒロイン?だから教科書通りという感じ?道すがらPAは一通り巡ってきましたが、これといって好感度選択肢は出てこなかった気がするし…うーん、戦闘中ひたすらミキにフレッシュセージ(戦闘不能回復)を投げていたからそれで好感度上がったとか?今思えば、終盤の艦内での二人会話が2でいう決戦前夜イベントだったのかも?ゆうべは おたのしみでしたね。
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こういう作品をプレイして感じるのは”勿体無い”という気持ちです。グラフィックとキャラ(と声優さん)はとてもよかったのに、とにかく過去作からの使い回しの惨状を筆頭に、その過去作で良かった要素も全体的にバランス良く削ぎ落とし、機能面も大幅劣化、なんとも反応に困る作品となってしまった印象です。
隠しダンジョン?が開放され、おそらくそこにイセリアさんがいるんだと思いますが、まあ…別にいいか。ありがとうございました。