突然音が鳴り響いた。
あっ、花火打ち上げてる!
ある程度自分の家の窓から見えるので、ベストポジションを探し、眺めに向かった。部屋の電気を消して真っ暗にし、その光だけで黄昏ることにした。
酒とお菓子も持っていき、楽しんでいた。
やっぱ花火は派手で綺麗だし、好きだ。
ゴクゴク…ポリポリ…
うーむ、酒が進みますなぁ。
うん…
プリッツサラダ味美味しいなぁ。
おっ、連打タイムだ。たーまーやー。
うん…
…なんか
寂しくなった。
そういえば誰かと花火見に行ったこと無いかも…家族とは小さい頃にあったかなぁ…
今まで誰にも好かれず愛されず必要とされず。
それしか知らなくてそう生きてきて。
もう慣れっこのはずなのに。
今は何気ない日常の一コマが唐突に孤独感を与えてくる。
おじさんが真っ暗の部屋の中で一人、酒とつまみを手に取りながら花火を眺め、心を躍らせ幸福感に浸るも、重複して湧いてきた感傷と共に時を過ごす。
なんだか純粋に楽しめなかった。
好きな鑑賞物を純粋に好きな気持ちで見られないということは、精神的に良くない状態なのだろうか。
兎に角、無理矢理にでも寝て、起きたらまたいつも通りの能天気モードに戻る事だろう。
今日は風呂入ってさっさと寝ることにした。おやすみ。