第一試合目はWBO世界ライトフライ級王座決定戦、岩田翔吉選手対ハイロ・ノリエガ選手。岩田選手は13勝1敗10KO、ノリエガ選手は14勝3KOながらも無敗、試合数だけ見れば同じで世界ランキングも1位と2位の対戦、という正に文字通りの王座決定戦。立ち上がりは互いに左を出しながらリングを回る、ノリエガ選手は細かくスピードを活かした立ち回りから左右の多彩なフックを軸に小気味の良い打撃を加える。岩田選手は翻弄されず左を当てていく。リーチ差を潰すためなのか、ノリエガ選手が踏み込んで左右を振り岩田選手が左で対応する、まるで戦績が逆かのような序盤。振りの鋭いフック連打の合間をぬって岩田選手の右アッパーでダウン奪取、起き上がったあとに攻め込み、ラウンド終了ゴングとほぼ同時に再度ダウン。結果は岩田選手の3RTKO勝利となりました。素早い出入りもあっての所々でパンチを当てていたシーンもあったのですが、パワーの差も目立った形だったと思います。ラウンド終了間際での的確な攻めも見事でした。ぜひ統一戦も実現させてほしいです。
第二試合目はWBA世界フライ級タイトルマッチ、王者ユーリ阿久井政悟選手対挑戦者タナンチャイ・チャルンパック選手。ユーリ選手は二度目の防衛戦、タナンチャイ選手は25勝15KO1敗、やや身長差も目立つ組み合わせ。開幕からユーリ選手がガードを固めながら前進、ボディを軸に早々にペースを掴む。タランチャイ選手も手は出すものの強固なガードに塞がれ圧を掛けられ続けていく。中盤からはポイント差もあるのかタランチャ選手も手数を増やし、打ち合いの時間も徐々に増していく。終盤までユーリ選手が前に出続ける図式は変わらず結果はユーリ選手の判定勝利となりました。タランチャイ選手も終盤押し込む場面もあったのですが時既に遅し、もっと早い段階から切り替えていれば?それもこれもユーリ選手のプレッシャーによるものだったと思います。試合通しての圧もさることながら左を上手く出し続けていたのが特に効果的だったように映りました。ぜひ統一戦も実現させてほしいまた言ったぞ。
第三試合目はWBC世界フライ級王座決定戦、寺地拳四朗選手対クリストファー・ロサレス選手。ロサレス選手は6敗ながらも37勝22KOをほこる同級元世界王者。やはり注目すべきは寺地選手の階級を上げての初戦。直近の試合では攻め気を前面に出したスタイルで良くいえばシンプルに盛り上がる、逆にいえば相手の拳をまともにもらうシーンも増えてしまった。そこから一階級を上げてパワースピード含めどうなるのか、といったところ。第一ラウンド、寺地選手はリーチ差のある相手に対して細かく左を突いていき、下も織り交ぜながらお互いに様子見といった開幕。第二ラウンドからはロサレスもまた手数を増やす、対して寺地選手は距離を取ってパンチを外し返しにガードの隙間にワンツー、ボディを当てていく。強烈なカウンターが当たれば返す、中盤からはまた戦法が変わり一触即発の展開になるも、その後寺地選手が立ち回りで圧倒。結果はロサレス選手の鼻骨骨折によって寺地選手の11RTKO勝利となりました。一発のある危険な選手相手に前後左右のスピードをまたパワーとして乗せ、階級上げ初戦から相手を引かせる場面も多々。もしものリスクを抑えつつも攻め気は失わず手も足も動かし続けた、見事なTKOだったと思います。ぜひ統一戦も実げ何度でも言うぞ。
第四試合目はWBA世界バンタム級タイトルマッチ、井上拓真選手対堤聖也選手。同年代で高校時代に対戦経験あり12年ぶりの対戦、スピードテクニック世界戦キャリアで勝る井上選手、パワーと勢いが光る堤選手、というような図式。開幕から互いに手を出し合うアグレッシブな展開、井上選手は堤選手の圧に臆せずリング中央での攻防。持ち味の突進力と変則的な動きで攻める堤選手に対し卓越した技術でいなす井上選手。
すごいしあいだった。
やはり井上選手と戦いたかったという堤選手の気迫といいますか、それが全面に出ていた試合だったのかなと。12ラウンド制の試合ではあまりみられない、序盤から強打の嵐、ワンツースリー、フォーファイブだけでは終わらない連打、一息ついたかと思いきや切り返しての攻勢、変則的な軌道ながらも手数と回転力の猛攻。多少の振りの大きさや防御面をも怒涛の攻めで塗り潰し、まるで4ラウンド制の試合かのような前進に前進を続け、カウンターを貰おうが怯まず、フルラウンドまで手を出し続けた、それがこの結果となったと思います。井上選手も的確で鋭いパンチを何度も捻じ込んではいたのですが、相手の勢いに最後まで押されてしまったのかなと。ぜひ統一せ…今後の展望としてもどうなるんだろう???
あ。
何やら別の会場にて体重超過試合があったらしいですね。はい、じゃあもう先に上の階級でベルト取って待っていればいいじゃないでしょうか。