参上!!!てなもんで。
現代に解き放たれたこの獣、精神ボロボロで頭を抱え壁に向かって体育座りをしていた無職から、実績も実力も未来に夢も希望も何もない生物としての資産をひたすら朽ちさせていくだけのただの無職へとバックトラックしたぼく。
とりあえずこれまで溜まった赤ゲージもとい白ゲージを回復させるために、何日か何週間か何マンスリーか、ゆっくりじっくりと肉体を休ませる。
そしてまた、戻ってはいけないはずのその生活に戻ってしまう。ああ、なんとも悲しい生物か。ここに同情の余地はない。
ああ…ガソリン車のようなエネルギーを一発チャージするアイテムが欲しい。しかし、様々な用途の緻密な部品の組み合わせで出来上がっているもの、ガソリンだけ入っていても肝心のボディに不備があったら意味がない。ガソリンを入れて満足に動く土台があってこそ、はじめて前進できるのだ。工場でパパっと補修、なんて芸当は残念ながら出来ないので、地道に、全身に、血を送り巡らせるのだ。心臓さん、今日も労働ありがとう。
自分も心臓になりたい。心臓のような存在になりたい。すみません、思い直します。ちいと役割が重すぎるので発言を撤回いたします。撤回も何も一度口に出してしまったら撤回は遅いぞ。の、ような。的、な。ニュアンス、として。発言も補修補足言い訳、不意な発言も人間らしさ。都合のよい文法だ。
空が青い。
赤信号停止中、何だか久しぶりに空を見上げた感覚から、自分でもびっくりするくらいに見惚れてしまった。なんかすごくきれい、素直にそう思った。汚物にまみれてしまったこの心(それを生み出し育てたのも自分)が洗われるようだった。
何気なく当たり前のようにある存在も、見方や状況によって様々な色をつける。無色のものが色鮮やかに映ったり、毎度の日常にコントラストがかけられたり、逆にカラフルなものが単色に変化したり。何事も見たり感じたり受け手によって景色が変わる、ともすれば、それすなわち自分の精神状態という名のフィルター。よくもわるくも目の前の情景を映し出す鏡である。
鏡をいっそのこと割ってしまうのか、それも各々の自由。そして割った破片が飛び散らないようにするのが最低限の配慮。専用テープを貼るなり内側へのみに向きを徹底するなり。その後散らばった破片を上手に片づけられるか、誤って踏んで傷を負ってしまうか、直面せざるをえない事情であろう。
ハンドちりとりだけでは足りない。掃除機を用意し辺り一帯を吸い尽くせるようになるその日まで。