つまり、”餃子”に立ち向かうということなのだ。
自分は”料理ができる人間”とはいえない。野菜を切ったり、肉を焼いたり、カレーを作ったり、タマネギで号泣したり…素材を生かして一から作るというのは当然無理で、くっくでゅー的なもので材料を放り込み軽く調理して完成させる、くらいが限界。無論調理の用法用量はきちんと守るぞ。
餃子が焦げるのだ。
大体の餃子の調理方法は、フライパンに油を引いてその上に餃子を並べ、水を一定量流し込み、蓋を閉じ数分待って完成、というものだと思うが、これがまた難しいのだ(当社比)。
袋の説明通りに待つも普通に焦げていたり、餃子の底の部分がフライパンにくっついてしまい、皿に移そうとすればそのまま皮が剥がれてしまって見るも無残な姿となったり。その焦げる分も考えて水を少し多めに入れてみるも、今度は逆に餃子がべっちゃべちゃになったり。それをまたやっちまった…としょんぼりしながら喰らう日々。自分はただ綺麗な黄金の焼き色を追い求めているだけなのに。
それからというもの、まるで”友達以上恋人未満関係の相手からのLINEの返事をソワソワ待っている”がごとく、フライパンの前に陣取り、チラッ焼けたか!?チラッ焼けたか!?チラッまだか!?チラッえっこれ焦げないか!?チラッ火止めた方がいいんじゃないか!?あぁもう無理!止める!ってまだ生焼けじゃねーか!!!とかなんだか正面からかぶりついて調理をしているわけです。えっ?先程の”友達以上~”のくだり的な実体験はあるのかって?ないけど。
多少出来上がりに誤差はあれど数々の失敗を乗り越え、なんとか成功率8割くらいには引き上げることができた。その代償として、焼いてる最中はガン見していて他のことに気が回せないこととなってしまったが、それは仕方ない。一兎すら満足に追えない者もいれば、二兎十兎追えるものもいる。そして経験を重ね、とうとう”餃子を焦がさないようにする方法”を生み出してしまった。
”焦げ付きにくいフライパン”を使う。
というか結局、自分は”フライパンに平皿をあてフライパンごとひっくり返し餃子を皿に移すあの動作”がやりたいだけなのかもしれない。あれなんかカッコイイ。