人生たらたら

書きたいことを書くだけのブログ

テトラポット座って

映画版”恋は~”を視聴中、作品内で”傘を差さずに雨に打たれる”シーンを見てふと思い出したことが。

 

 

(↓この話前に言ったっけ?覚えてないけどまあどうでもいいか)

 

昔一人暮らしをしていて、精神がぶっ壊れ始めたとき(預金残高が尽きて砂糖爆弾珈琲生活が始まる前)、ふと”海が見たい”と思い、中身スッカスカ中身の財布を持ち、家を飛び出した。泳げないし泳がないけど海を眺めるのが好きなのだ。

 

行ったこともない、どの道を行けば辿り着けるのか分からない、そのような状況で歩き出した。分かっているのは目的地の海沿いの地名、目印になるのは道すがらの青看板だけ。ひたすら曖昧な方角のみを辿って歩き続けた。

 

片道6時間歩いた。

 

何も考えられず頭ボーッとしたまま、ひたすら。どの道をどのように通ったか覚えていない、覚える気もなかった。夜になって暗かったし、道中かすかに記憶にあるのはとある特徴的な道路の形だけ。地名など知らん。あ、低い山道みたいなところでラブホテルの前通ったことは覚えてる。

 

途中コンビニで菓子パンを一個買い、食べながら目的地の海に到着。もうその頃には時間も遅く、真っ暗な海だったが、やはり海の音は心地よい。満足するまで一人座り込んで黒い海を眺め続けていた。幸せだった。

 

”帰らなきゃ…”と(飛び込んで海の藻屑になる勇気は出なかった)踵を返すタイミングで、突然強い雨が降ってきた。傘なんてないし、差そうとも思わなかったので全身ノーガードでずぶ濡れ。まあそれ自体はいいのだが、ちょいと困ったことに季節が秋だったので、体が小刻みに震えるくらいに寒くて冷やされてしまったのと、長時間コンクリの道を歩き続けていたせいで、歩くたびに足に激痛が走るようになっていたこと。

 

帰り道は”土砂降りのなか傘を差すこともせず、寒さで全身をガタガタ震わせながら、激痛が走る足を引きずってちょこちょこ歩いている男”、という謎の状態だった。足が痛くて休憩、歩いて休憩、バスの屋根付き停留所があればそれを使わせてもらいながら(ごめんなさい)歩き続けた。ずーっと雨降ってたし。幾度か動けなくなり休憩がてら道端に座り込んでいて、すれ違う通行人の方に怪訝な目で見られていたが、そんなのは知ったことではない。足が動かないのだ。帰りは何時間掛かったか…夜中から出発して夕方くらいに着いたから半日分は掛かったと思う。

 

家に着いてから三日程足が痛くてずっと布団で倒れていた。歩けなかった。ご飯食べるのにもお手洗い行くにも匍匐前進、腕の力のみで生活していた。それよりも驚いたのが、数時間土砂降りの雨に打たれ続けながら”風邪を引かなかった”こと。ダルさや熱が出たなども皆無、ひたすら足が痛いだけ。実は自分の身体は強いのかもしれない。数えきれないほどの”仮病”という名目の風邪は引き続けていたが、リアルの風邪を最後したのがいつだったのかも覚えていない。

 

 

映画の雨打たれシーンで↑この実体験を思い出しました、という話。愉快な話ですねハハハ。